研究課題/領域番号 |
18K00120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三浦 俊彦 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10219587)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 芸術の定義 / 機能主義 / 制度主義 / 歴史主義 / コンセプチュアルアート / ジェンダー / 意図 / 同型対応 / 芸術の美的定義 / アートワールド / ソーシャリーエンゲージドアート / 視覚 / 第二次世界大戦 / 本質主義的定義 / 非認知主義 / レディメイド / ファウンドアート / 美的観点 / 芸術の全体論的定義 / 物語芸術 / 本質主義 / 実在定義 / 内包的定義 / クラスター説 / 再帰的定義 / 還元主義 / 美的定義 / 基礎づけ主義 / 疑似芸術 / 美的経験 |
研究成果の概要 |
芸術と非芸術の境界事例の研究の端緒として、特定ジャンルの境界事例(反娯楽的なアニメ)の分析から始め、当該作品と芸術・非芸術の境界事例(コンセプチュアルアート)との内在的関係を実証的に提示した。そこからコンセプチュアルアートを伝統的な美的定義で芸術認定する作業へ進み、美的定義とそれ以外の定義(制度的定義、歴史的定義など)、そして反本質主義的定義論との比較研究を通じて、芸術定義に関する72種類の理論の抽出に至り、それらの体系的配列に取り掛かる枠組みを作成した。美的定義の中の「意図主義的機能主義」を一般化した「志向性理論」を定式化した既発表論文を洗練して、最終的な定式化を行なう態勢を整えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
諸事例のうちどの範囲を「芸術」と認定すべきかという説得的な定義論は、近年多くの分野で問題化しつつあるカテゴリ認定のトラブルに光を投げかける。たとえば2023年5月現在、国民的議論の対象になっている「LGBT理解増進法案」は、「男性」「女性」「ジェンダー」といった語の定義を曖昧にしたまま一足飛びに社会構造を変えかねない倫理的枠組み変更を求めたところにトラブルの原因が認められる。概念の定義とは何か、といった基礎的反省を含む本研究は、芸術カテゴリの分析の過程でジェンダー概念批判の論文を3編生み出しており、理論的成果が社会問題に貢献する可能性の一つのモデルを提供するものである。
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