研究課題/領域番号 |
18K00122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
飛嶋 隆信 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60302915)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 美術史 / 美術批評史 / 伝統 / 近代芸術 / イタリア / フランス / 古代ローマ / フランス美術史 / 美術批評 / 両大戦間期 / 伊仏関係 / 古代ローマ礼賛 / ファシズム / 文化の多様性 / ヴァルデマール・ジョルジュ / フランス美術批評 / ドイツ美術史 / ロマネスク美術 / ゴシック美術 / ファシズム期の美術 / エトルリア美術 / マルゲリータ・サルファッティ / ネオ・ユマニスム / ドイツ / 近代美術 / 古典 / 両大戦間期の美術 / フランス美術 / イタリア美術 / 前衛 |
研究成果の概要 |
ポーランド出身の仏美術批評家ヴァルデマール・ジョルジュの活動は、両大戦間期のヨーロッパ諸国で、近代芸術における伝統の再構築を目指す様々な試みの特異な例であった。彼は、フランス美術の本質をあらゆる極端さを回避した「中庸」に求めるという、当時のフランス美術の批評に見られた傾向の枠内に収まらず、ファシズム政権下のイタリア美術界、特に「ノヴェチェント」との連帯を目指したが、理解を得られず、当時のイタリア考古学界主導で進められていた古代ローマ文化の復興と顕彰という動向に活路を求め、自身が主導する「ネオ・ユマニスム」までもファシズムを裏付けるローマ文化の子孫として位置付けるに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヴァルデマール・ジョルジュの言説の論理を、当時のイタリア考古学の状況を背景に分析、彼が古代ローマという「伝統」により、伊仏芸術の連帯・再構築という自身の理想を正当化しようと試みたことを明らかにした。また、彼が西洋文化の辺境に位置づけられていた東方の文化圏に対しても関心を維持し続けていたことを指摘、表面的には敵対するように思われる美術批評家バーナード・ベレンソンや、美術史家ヨゼフ・シュゴフスキーらとの間に、国民国家の「外部」の視点からの伝統構築、という共通した問題系が存在する可能性を示唆し、両大戦間期の美術史や美術批評をめぐる錯綜とした状況を解明するための一つの視点を提案した。
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