研究課題/領域番号 |
18K00130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
梅田 英春 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (40316203)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | バリ / カランガッスム県 / 大正琴 / プンティン / ガムラン / バリ島 / マンドリン / ユーチュープ / マンダリオン / 南スラウェシ州 / マカッサル / インドネシア / スラウェシ島 / ププアン村 / 楽器研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本からインドネシア・バリ島に伝播した大正琴を起源とする楽器とその楽曲、演奏グループを研究対象としてきた。 2022年度は、新型コロナ感染症が終息しつつある中、2022年6月から活動を開始したバリ島カランガッスム県の県庁所在地アムラプラで活動を行う演奏グループ「ムルドゥ・コマラ Merdu Komala」を対象にして、その再開された活動について調査を行った。 このグループはこれまでも調査を継続してきたグループであるが、2020から感染症の影響によりほぼ2年間にわたり活動を休止してきた。しかしその間に楽器の改良を行い、弦数を少なくした楽器を製作し、より演奏がしやすい楽器に改良した。さらにはこれまでなかった太い弦のみの低音楽器を製作した。また主要メンバーによる子どもの育成が継続的に行われ演奏者の世代間継承に取り組んだ。このようないわゆる感染症まん延時に発揮した「レジリエンス」により、活動開始後はアンサンブルの音量、音質に大きな変化を与えることになった。 変化の一つは10代の世代の誕生である。これまではグループ発足時のメンバーを中心に10年以上の活動を行ってきたが、新しい世代が加わったことによる活気が加わったことにある。また活動再開後は、各地からの演奏依頼が多く、感染症流行前と変わらない演奏状況が生まれ、さらには、カランガッスム王宮を訪れる観光客に対して、毎週日曜日に定期公演が行われるようになったことである。 またこれまでは演奏してこなかった西洋音楽の音階を用いた作品(国家など)の演奏を始めるようになり、コードを演奏するという新たな発想が生まれた。現在はまだまだ模索中であるが、新型コロナ感染症を得て新たな活動が展開されていることを、2022年度の研究では明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この研究課題は、インドネシア現地においての調査を中心にしていたことから、新型コロナ感染症により2020年から2年間は全く現地での調査が行われなかったために、調査の進行は当初の予定通りには進んでいない。 ようやく2022年から海外での調査を行うことができるようになったことから、今年度については調査は進んだといえるが、その活動はこれまでの状況とは異なっていることと、場所によっては調査をすることが難しいこともあり、限られたグループのみの調査に限られてしまった。 調査を困難にしたのは、調査対象グループの演奏の依頼者の姿勢である。感染症が流行している中、場所によっては海外からの調査(来客)を受け入れない場合もあり、いくつかの困難に接したことも事実である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はインドネシアにおいてもほぼ緩和政策が撤廃されていることから、今年度は従来通りに調査ができると考えている。 また今年度の調査は最終年度に当たることから、こうしたコロナ禍を経て、各グループがどのように活動を見直し、新たな展開を始めているかという点に着目したいと考えている。今年度の調査で明らかになったようにどのグループもレジリエンスを発揮することで、音楽的にも変化がみられるのではないだろうか? 今年度の調査は8月、12月の2回に分けて実施する予定だが、この調査において各グループの新たな展開にして明らかにしたいと考えている。
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