研究課題/領域番号 |
18K00131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
上山 典子 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (90318577)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | オペラ編曲 / 19世紀 / ブルジョワ市民階級 / ピアノ / 編曲譜 / 市民階級 / 交響曲 / 市民音楽文化 / 歌曲編曲 / リスト / ブルジョワ階級 / 編曲 / オペラ |
研究成果の概要 |
オペラに基づくピアノ用の編曲(オペラ・ファンタジー、変奏曲、パラフレーズ、そしてオペラのある特定の場面に基づく編曲など)の取り組みとそれら編曲譜の出版事情に注目することで、19世紀前半の人々の音楽生活でオペラ編曲譜が果たしていた大きな役割を明らかにした。オペラ編曲作成の目的は、多くの場合、深淵でシリアスな芸術的作品を提供することではなく、ピアノで人気の旋律をカンタービレに「歌う」こと、ピアノの楽器としての可能性を示すこと、そして音楽愛好家の耳に心地よい音楽を届けることであり、ブルジョワ階級をはじめ、アマチュア演奏家の音楽生活で多くの需要を得ていたのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は19世紀前半ヨーロッパの様々な都市に出回ったピアノのためのオペラ編曲譜を取り上げ、それらが音楽を身近に楽しむ市民階級の間で、彼らの音楽生活を豊かに彩る大きな役割を果たしていたことを明らかにした。とくに、音楽史の博物館に殿堂入りした芸術家の芸術作品だけでなく、後世の美的価値や歴史評価の陰に隠れてきた――しかし当時は音楽界の中心ジャンルだったもの(例えばグランド・オペラ)や、ヨーロッパ中で名声を博した編曲者(例えばタールベルク)の作業にも目を向けたことで、19世紀市民階級の日常音楽生活における編曲の実態に迫ることができた。
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