研究課題/領域番号 |
18K00140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 東京音楽大学 |
研究代表者 |
小日向 英俊 東京音楽大学, 音楽学部, 客員教授 (00399742)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | インド音楽文化 / 移民 / 日本 / グローバル化 / 宗教歌謡 / インド音楽 / 異文化音楽の受容 / 移民の音楽 / ソフトパワーとしての音楽文化 / インド系移民 / 音楽 / 宗教混淆 / 沖縄 / 神戸 / スィク教 / ヒンドゥー教 / インド人コミュニティー / グジャラート州 / 音楽受容 / 文化変容 |
研究実績の概要 |
沖縄在住インド人コミュニティの宗教歌謡については、その歌詞集『Guruvani』(Delhi, 1985)とフィールド調査で収録した歌詞テキストの比較・精査を継続中である。現地における宗教集会参加者へのフォローアップ調査が必要であったが、2022年度には現地調査は実施できなかった。2023年度中にこれを実施する予定である。 神戸在住インド人コミュニティの音楽文化については、「インディアメーラー2022」などの調査を行った。COVID-19の影響が残るが、インドからの招聘団体と関西在住の日本人インド音楽・芸能実践者が20団体ほど参集し活況を呈していた。在日インド大使館関係者らの同イベントへの深い関わりも確認した。 東京在住インド人コミュニティについては、インド文化センター(葛西地区)の諸活動、イベント「ディワリフェスタ西葛西」(10月)、江戸川区内のヒンドゥー教施設「ハレークリシュナ寺院」における宗教歌実践も調査した。世界規模のネットワークを有するこの宗教的拠点は、日本人、米国人なども参加し、宗教歌謡を介した文化の交差点として機能している。 江戸川区内インド人コミュニティは比較的若く、IT技術者が中心を占める。彼らは一般に移動性が高いが、日本への帰化を果たし日本社会で責任ある地位を占める者も出現している。 本年度では、すでに明らかにした在沖インド人コミュニティと日本人の関わりに加え、イベントや各施設において活躍する多くのインド音楽の日本人の担い手とインド人コミュニティが連携する姿を見出した。移民コミュニティ全体の中では規模が比較的小さく目立たない在日インド人コミュニティではあるが、地球規模で拡がるインド人コミュニティのネットワークと繋がる彼らは、音楽文化を介した異文化の結節点を構成していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、補助事業期間延長を行った。インド人コミュニティの音楽イベント活動自体も停滞していたことが要因であるが、2022年度の後半には多くのインド文化イベントが再開された。ただし、研究対象地の沖縄におけるフォローアップ調査は実施できなかったため、宗教歌謡の分析の一部に停滞が生じた。 関西(神戸)地域での調査では文化イベントの調査ができたが、宗教施設における歌謡の実践は未だ再開されていなかった。最終年度(2023年度)に、調査を実施する予定である。 一方、東京地域(江戸川区)においては、文化イベント、文化施設、宗教施設における各イベントと関係者の関わりを調査し、当事者へのインタビューなども実施した。多文化共生に向けて行政も新たな動きを示しつつあるが、次年度の調査に委ねたい。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度(2023)では、沖縄、神戸、東京(江戸川区)でのフィールド調査を継続する。 沖縄では、宗教歌謡に関するフォローアップ調査を実施し、歌詞分析を完了する。 神戸では、宗教歌謡実践の再開を待ち、参与観察を実施する。 東京(江戸川区)においては、インド人コミュニティと日本人コミュニティの関わりに着目しつつ、行政による異文化包摂の施策について検証する。 これまで得られた知見に基づき、移民コミュニティの音楽文化のアクターに着目した「文化受容モデル」を用いて、3地域における音楽文化の動態について、一定の結論を得る。
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