研究課題/領域番号 |
18K00155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
津上 智実 神戸女学院大学, 音楽学部, 教授 (20212053)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 邦語歌唱運動 / 原語歌唱 / 永井郁子 / 宮城道雄 / 堀内敬三 / 芸術歌曲 / 日本歌曲 / 邦訳歌詞 / 吉田晴風 / 新日本音楽 / レート白粉本舗平尾賛平商店 / 冠コンサート / 君が代 / 杵屋佐吉 / 永井柳太郎 / 日本近代音楽史 / 女性音楽家 / 小倉末子 / 荻野綾子 |
研究成果の概要 |
本研究は、近代日本における洋楽ジャンルの成立と楽界に対する演奏家の貢献を再評価することを目的とし、中でも女性音楽家の創造的な演奏活動が果たした役割を解明することを目指してきた。具体的には1925年から1941年まで「邦語歌唱運動」を展開したソプラノ歌手永井郁子(1893-1983)の演奏活動の実態とその音楽的・社会的意義との解明に注力し、中央紙や音楽雑誌を始め、各地方新聞に加えて、当時日本が領有していた台湾や朝鮮の新聞まで、事前の予想をはるかに上回る広範な調査を要する結果となった。そこから、日本歌曲の成立を促した活動の実態と意義とを浮き彫りにすることができたのが本研究の成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来の大きな音楽史が演奏家よりも作曲家、女性音楽家よりも男性音楽家を中心に記述されてきたことに対するアンチテーゼとして、もう一つの日本近代音楽史を構築する一つの階梯となることを目指し、具体的な事例として邦語歌唱運動(1926-1941)を日本全国津々浦々で実施して社会的反響を呼んだソプラノ歌手永井郁子の活動実態を明らかにした。中でも訳詞者の堀内敬三や邦楽家の宮城道雄らとの協働を、またレート化粧料本舗平尾賛平商店のバックアップで全国展開した先駆的な冠コンサートの実態を解明することによって、日本の近代化の中で日本語による芸術歌曲が成立・発展した一つの系譜を明らかにすることができた。
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