研究課題/領域番号 |
18K00160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
久米 順子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60570645)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中世イベリア半島 / 異文化交渉 / 中世キリスト教美術 / スペイン美術 / ムデハル美術 / イスラーム美術 / ユダヤ美術 / 文化史 / 美術史 / スペイン史 / スペイン美術史 / イベリア半島 |
研究成果の概要 |
本研究課題は、中世イベリア半島のキリスト教王国で制作された美術と、当時の宗教的文化的マイノリティ集団との関係に焦点をあてた。ムスリムやユダヤ教徒は、マイノリティといえども、それぞれのコミュニティの中で独自の文化伝統を保っていた。これら三宗教は、社会的に対立していたと捉えられがちである。確かにキリスト教美術にはマイノリティ集団への敵視があからさまな図像も認められるが、その一方で、彼らの美術の一部を受容し、自らの文化の中に組み込んでいく動きが確認できる。とりわけ写本の図像や装飾は、これら三宗教の文化が交錯する地点であるといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世イベリア半島といえば、高校の世界史で学習するキリスト教諸王国の対イスラーム「レコンキスタ(再征服運動)」やユダヤ教徒追放令が想起され、キリスト教徒、ムスリム、ユダヤ教徒は中世を通じて争い合っていたというイメージが定着しているように思われる。しかしながら、当時の美術作品を分析すると、対立は彼らの複雑な関係の一側面に過ぎないことが理解される。文化交渉は、政治的経済的な対立や分断と無関係ではないが、必ずしも一致しない。中世イベリア世界の異文化交渉の様相が、現代社会における多文化共生へのヒントに繋がり得る点に、本研究課題の社会的意義が見出されよう。
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