研究課題/領域番号 |
18K00161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
伊藤 奈保子 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (20452625)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | インドネシア / マレー半島 / 密教美術 / 密教 / 文殊菩薩 / 弥勒菩薩 / 般若波羅蜜 / Prajnaparamita / シュリーヴィジャヤ / 鋳造像 / 密教法具 / 三日月形頭光 / Makara / マカラ / シュリヴィジャヤ |
研究成果の概要 |
インドネシアの中部ジャワ地域を中心とした仏教寺院の単独像およびレリーフを研究対象として密教に関連する総合的な考察を行い、それらを著書1冊『改訂版 インドネシアの宗教美術―鋳造像と法具の世界―』(320頁)、和文論文2編、英文論文4編に著した。密教の仏像のなかでも「八大菩薩」を形成するうちの文殊菩薩、弥勒菩薩をとりあげ、インドネシアの文殊菩薩の図像には童子形を意図する「三日月形」が頭部背後に表現されることをボロブドゥールやムンドットゥの寺院レリーフと単独像から確認した。またプラオサン寺院では「八大菩薩」のうちの二尊を除いた六尊形式であり、密教美術が8世紀頃には信仰されていた可能性を導き出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インドネシア・マレー半島における密教美術の存在が指摘されながらもその詳細な研究報告は限られている。今回インドネシアの仏教寺院や博物館をはじめ海外所蔵の像を含めて密教に関する像の図像の特徴を明らかにしたこと、またマレー半島の像がスマトラと関連していることなどを確認し、それを書籍出版できたことは東南アジアへの密教流伝の一解明をもたらすものと考えられ、今後の研究の前進が期待できる。またこの成果は密教が流伝した地域の作例との比較対象となりえる。インドネシアは現在イスラム教が9割を占めるが、8世紀頃にはインドからの海路により密教流伝がされ、日本の密教伝来に深く関わっていたという史実が社会へ明示できる。
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