研究課題/領域番号 |
18K00165
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
|
研究機関 | 群馬県立女子大学 |
研究代表者 |
塩澤 寛樹 群馬県立女子大学, 文学部, 教授 (60162567)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 肖像彫刻 / 俗人肖像彫刻 / 覚園寺 / 安本亀八 / 武家肖像彫刻 / 夫妻像 / 新田義貞像 / 長楽寺 / 栄朝 / 塑造 / 徳川家康坐像 / 中世 / 近世 / 俗人 / 東照権現像 |
研究成果の概要 |
中世では、鎌倉・覚園寺の僧形像群を応永年間の朝祐による制作で、従来研究が遅れてきた鎌倉における希少な北京律関連の肖像彫刻と位置づけた。また、群馬・長楽寺の栄朝禅師坐像を類例稀な鎌倉時代の塑造による肖像彫刻と位置づけた。近世前期では、宮城・瑞巌寺伊達政宗像について、本像が武家肖像としては類例稀な着甲像であり、甲の一部を別材で制作する点に中世的な伝統がみられると考察し、東京・養玉院小関庄次郎夫妻像を俗人夫妻像の好例と位置づけた。近世末期から近代にかけては安本亀八の肖像彫刻に注目し、その作例は洋風彫刻とは異なり、明治後期に至るまで中世以来の伝統技法に則りながら俗人肖像彫刻を制作したことを確認した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の肖像彫刻研究には、仏像彫刻研究に比べて研究蓄積がかなり少ない、研究対象に著しい偏りがある、作品評価の論点が「写実性」という点に偏重しているが、「写実性」という語の定義が曖昧である、といった問題点が存在してきた。本研究はこれまで等閑視されていた分野や時代についての研究を進め、総合的な肖像彫刻研究を構築することを目的とした。北京律関連の肖像彫刻、着甲した武家肖像彫刻、近世夫妻像、幕末の俗人肖像彫刻など、本研究の考察により、本研究の第一目的である従来の肖像彫刻研究の欠落部分を埋め、さらに「写実性」についても考察を及ぼし、総合的な肖像彫刻研究を構築することに貢献できたと考えられる。
|