研究課題/領域番号 |
18K00169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
藤澤 紫 國學院大學, 文学部, 教授 (70459303)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 浮世絵 / 日本近世・近代絵画 / 玩具絵 / 母子絵 / 子ども絵 / 出版文化 / 比較文化 / 教育文化 / 江戸文化 / 子ども文化 / 教材 / 教育 / 文明開化 / 教育ツール / 江戸時代 / 明治時代 / 子ども / 母子像 / 美術史 |
研究実績の概要 |
本研究は文化の変革の時期における日本近世、近代の子どもや母子の暮らしに焦点を当て、研究成果の蓄積を目指すと共に、その成果を適宜配信し、現代の子どもや教育文化にその成果を速やかに還元することを重要な目的と考えている。 昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症に関わる遠距離への渡航等の制限、及び複数名での調査等の実地が困難であったが、2022年度もこれまで収集した資料の充実を図り、検討を進めることがかなった。特に、①ポイントを絞った史資料の収集と分析、オンラインを用いた研究成果の共有、②定期的な成果の発信、の2点に留意し、共同研究を進めてきた。浮世絵を軸とした母子絵、子ども絵文化の普研究に加え、浮世絵のメディア性を考え、論じる機会も得たことは大きかった。 ①に関しては、研究成果の蓄積として、Webを介した資料収集を継続し、主に画像データの分析に力を入れた。近世から近代にかけての庶民文化の中で、子どもの暮らしや教育界がどのように変容していったのか、という点に着目した。これまで収集を重ねた玩具絵などの資料に加え、子どもを描いた作例を軸に、近世から近代にかけての美人画に関わる資料を精力的に収集した。研究成果の共有は、Zoomを用いたハイフレックス形式の研究会を実施し、研究成果の配信と共有を積極的に試みた。 ②に関しては、各種メディア媒体を介し、番組の監修や出版(NHK Eテレ・NHK出版「趣味どきっ!浮世絵で体感!リアルな江戸LIFE」等)を介し、最新の研究成果を公開し、広く配信する機会を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度も引き続き、WEB講演会、出版物、テレビ番組、新聞などのメディアにも関わりながら、研究成果の発信を重ねてきた。併せて、遠隔機器やメール等を用いた、国内および海外の研究者(主に欧米)との成果の共有を積極的に行った。 国内外の実地調査に関しては、残念ながら今年度も積極的な実施を行うことがかなわず、予期せぬ後れを取ることになった。令和5年度は最終年度に当たるため、国内はもちろん、欧米における調査を予定している。重ねて、これまでの成果を報告する学際的なシンポジウムの開催、及び最終版の報告書『浮世絵に見る文明開化―子ども文化の変遷と教育ツールとしての浮世絵―』の刊行を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
1.玩具絵関連の史資料の総合的な分析と共有:これまで収集した画像資料の分析結果をまとめ、報告書等の観光を通じて、研究者レベルにおける共有を目指す。 2.江戸・明治の子ども文化や教育活動において、浮世絵が担った役割の検証:これまで焦点を当ててきた「病と信仰」、「母子像の系譜」などの検討を通じ、メディアとしての浮世絵が担った役割について、当年までに収集した史資料の分析を軸に検討を進める。 最終年度に当たる本年度は、国際的なシンポジウムの開催と、報告書を上梓し、その成果を公開することを目的に研究活動を進めている。
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