研究課題/領域番号 |
18K00170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
宮崎 法子 実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (20135601)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 文人山水画 / 倣古 / 実景描写 / 董其昌 / 石涛 / 王原祁 / 古画学習 / 南画と中国文人画 / 清初正統派と個性派 / 個性と倣古 / 実景山水 / 古画学習機会 / 幕末の文人画の中国画学習 / 近代日本の女性文人画家 / 中国文人画と日本の南画家 / 南画家の中国画学習 / 王原祁の実景山水 / 石涛の倣古山水 / 元代文人画家の実景山水 / 黄公望 / 王蒙 / 趙孟fu / 呉興弁山 / 西湖図 / 文徴明 / 蘇州 / 実景 / 元代文人山水画 / 沈周 / 実景図 / 文人山水図 / 元四大家 / 陳継儒 / 婉レン草堂図 / 松郡九峰 / 師古と師造化 / 燕呉八景 / 明末における絵画の流通 / 中国文人山水画 / 元代文人画家 / 明代文人画家 |
研究成果の概要 |
中国絵画史の主流をなした文人山水画の重要な要素である倣古と実景描写が、作画に与えた影響を、董其昌と石涛というと倣古主義と実景主義を代表する画家を中心に、各時代の代表的な画家の作品を取り上げ、実在の景との比較を含む作品の様式的分析を文献資料を参照しつつ進めた。 それを通して、倣古が画家の文化的環境に大きく依存し、古画鑑賞機会に恵まれ古画に学ぶ機会を得ることが文人画修得の前提であり、特に大画面山水を構成する基礎となることを確認し、一方、山水画の本来的な要素である実景図は、古画学習機会の乏しさを補い、時に山水画に新たな展開を促す役割を果たしたことを、実際の作例によって明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文人山水画は、中国文化そのものの本質に深く根ざした芸術である。元来、山水画は実在の景と不可分であったが、伝統的な尚古主義と典故主義が文人山水画にも影響を与え、文人山水画における倣古主義が決定づけられていった。本研究を通じ、画家の環境における古画学習機会の多寡が、作画における倣古や実景描写に大きく相関し、特に絵画の裾野が拡大した明末以後、その寡少が実景山水や個性的山水様式の創造を促す要因となったことを示した。それは、文人山水画の確立期であった元代文人画家や遠く日本の南画家の作画をも包括した文人画研究にも応用可能な視点であり、文人画を普遍的な芸術活動として考察するための道筋を拓くものである。
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