研究課題/領域番号 |
18K00173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
船岡 美穂子 東京藝術大学, 美術学部, 講師 (90597882)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 愛好家 / ディレッタント / 18世紀 / フランス / アカデミー / シャルダン / レンブラント / 版画 / 美術愛好家 / 素描家 / 色彩派 / スウェーデン / ディドロ / 『百科全書』 / 趣味 |
研究成果の概要 |
近世以来、大国となったフランスは文化においてもヨーロッパの先進的な中心地になった。優れた美術作品が生み出され、受容層の拡大に伴って、風俗画や静物画といったジャンル、絵画技法に対する関心も高まった。 本研究は、18世紀後半に美術界にも影響力を持った王侯貴族や富裕な市民を中心とした美術愛好家による余技としての作品制作に着目し、その諸相を調査して趣味の変化ならびに職業美術家の制作とのつながりを明らかにしたものである。美術愛好家たちは、自らも作品制作を嗜む経験や視点をしばしば生かして、作品を鑑賞・評価し、蒐集活動も行っていたことを分析した。その影響は、やがて周辺諸国にも波及したことも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の西洋美術史においては、素人による作品制作の研究があまり進んでいなかったが、18世紀フランスの美術愛好家による作品制作の嗜みがどのようなもので、職業美術家の制作といかなる関係にあったか、いくつかの具体的事例に即して明らかにした点に、本研究の学術的意義がある。美術愛好家は、画家に敬意をはらって師弟関係を築くだけでなく、交友関係を通じて彼らに貢献すべく自らの知識を提供しようとした。 「学識ある愛好家にして芸術家」であろうとした美術愛好家の営みは、やがて近代芸術学・美術史学にもつながると評価できる。現代の学問や作品制作を含めた生涯学習のあり方を考える上でも、社会的意義があると考えるものである。
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