研究課題/領域番号 |
18K00230
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
長岡 大樹 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 助教 (20456403)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 公共建築 / 愛着 / 地域住民 / 渡辺豊和 / 増田友也 / 共同幻想 / 現象学 / 鳴門市 / 建築空間 / 空間論 |
研究成果の概要 |
本研究の成果を2点挙げる。1点目は、建築家の渡辺豊和(1938ー)が考案した「地域住民が愛着をもつ公共建築のつくり方」を解明したことである。渡辺は、公共建築を構想段階で、対象地域に伝わる「伝説・神話・昔話」から、地域住民が無意識のうちに欲している建築イメージを読みとっていた。そのイメージを自身の建築に投影し、変容することで、地域住民が愛着をもつ公共建築をつくっていた。 2点目は、建築家の増田友也(1914ー81)が提唱した「Ethnos(原郷)」が、渡辺が地域住民から読みとっていた建築イメージと近い概念であることを明らかにした。結果、彼らに共通する現象学的な創作態度と建築空間論を解明できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、地域主義建築とは異なる、新しい公共建築の創出法を提案したことにある。ここでいう地域主義建築とは、木構造や木の表情を最善とし、地場産材を取り入れ、地域の典型的な伝統建築を模倣・参照して作られた建物のことである。これに対して本研究が示した方法を用いれば、建築の形態や空間を通して、直接、利用者の無意識や深層心理に働きかける公共建築を創出することが可能となる。 本研究成果の社会的意義は、公共建築の創作に携わることの敷居を下げ、裾野を広げた点にある。本研究が示した方法を用いれば、専門家ではない人々が、愛着の持たれる可能性の高い公共建築のイメージを提示することが可能となる。
|