研究課題/領域番号 |
18K00252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2019-2023) 東京大学 (2018) |
研究代表者 |
見上 公一 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 准教授 (60589836)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ガスリー法 / フェニルケトン尿症 / 遺伝医学 / 難病対策 / 希少疾患研究 / 協働 / 技術の社会史 |
研究実績の概要 |
本研究は、米国で開発された先天性代謝異常症の検査技術であるガスリー法が、日本に導入され新生児マス・スクリーニング制度として定着した歴史的な経緯について科学社会学の視点から調査を行い、1960年代後半から2000年代前半までの約40年にわたる期間を通じて、患者家族を含めた関係者の協働の状況と技術を取り巻く環境の変化を記述することを主な目的としている。ただし、新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大を受けて、2020年度から当初の研究計画の変更を検討し、新生児マス・スクリーニング制度の歴史的な変遷という観点からその対象を広げ、遺伝子検査や遺伝カウンセリングなどの遺伝性疾患に対する医療制度の拡充といった観点から、国内の医学分野における議論を米国の先行研究と比較し分析を行ってきた。 今年度は、日本で制度化が進められた難病対策について、欧米における希少疾患研究の展開との違いについてまとめた学術論文が刊行されたほか、その分析内容を元にした論考も発表した。また、希少疾患の存在が新たな医療の展開を後押ししてきたという歴史的な経緯を踏まえ、医学における希少疾患の意義を検討するための資料の収集と文献の調査を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響を受けて研究計画の見直しを行ったことから、研究計画に遅れが生じている。ただし、なかなか目処が立たずにいた国際的な活動については、状況が改善されており、調査やアドバイザーの訪問などが実現している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究から、フェニルケトン尿症を含めた希少な疾患の場合には、医療制度の充実だけではそのメディカル・ニーズを完全に満たすことが難しいということが確認されており、先端医療技術の開発が強く求められている状況がある。このことを踏まえて、希少疾患の存在がどのような医療技術の開発を後押ししてきたのか、患者あるいは患者団体が果たす役割とはどのようなものなのかについて、歴史的な変化をまとめることで、医療と患者の関係性についての議論を深める計画である。
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