研究課題/領域番号 |
18K00273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鹿島 美里 北海道大学, 文学研究院, 専門研究員 (00609068)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 山東京伝 / 江戸座俳諧 / 柳沢米翁 / 前田春来 / 茶道 / 松平不昧 / 大黒屋庄六 / 扇屋宇右衛門 / 鴻池炉雪 / 酒井抱一 / 前田春来(二世青峨) / 東風流 / 大名文化 |
研究成果の概要 |
山東京伝と深い繋がりを持った大名俳人柳沢米翁の俳諧活動について米翁の俳諧宗匠前田春来(二世青峨)との係わりから考察した。春来は其角・嵐雪の俳風をもとにする江戸座俳諧を目指し、春来が江戸俳諧に大きな影響を与えたことを明らかにした。さらに山東京伝のパトロン松平雪川の兄松江藩主松平不昧と吉原者らが係わった茶道具の伝来の調査を行った。山東京伝の『通言総籬』に登場する茶道具から、兄不昧も茶入を購入した人物のモデルとして描かれ、不昧とも京伝が文化を共有していたことが分かった。さらに吉原の大黒屋庄六が茶道具御所丸を所持しており、茶道具を介した吉原の文化交流が吉原で行われていたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
山東京伝の作品読解の鍵となる吉原文化圏を解明するため、山東京伝と係わりの深い大名俳人柳沢米翁の俳諧活動との調査を行った。大名俳人の重鎮であった米翁の俳諧宗匠は前田春来(二世青峨)を師としており、蕪村や存義ほど重要視されていない人物であったが、其角後の宝暦期の江戸俳壇においてその地位を獲得し、新しい江戸俳壇の流れを生み出すこととなる重要な位置を占めていたことを指摘した。さらに京伝の洒落本に描かれた茶道具から、松江藩主松平不昧や吉原者との繋がりを発見したことは、本研究の独創的な点となった。吉原を中心とした大名子弟の俳諧交友と茶道が当時の文化を形成していったことを指摘した。
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