研究課題/領域番号 |
18K00275
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
久保 勇 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (10323437)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 郷土史 / 平家物語 / 安徳天皇 / 平家伝説 / 硫黄島 / 陵墓参考地 / 国体 / 西摂大観 / 落人 / 国体思想 / 伊加倉俊貞 / 安徳天皇遷幸 / 鎮魂 / 史談会 / 地方改良運動 / 義経伝説 / 島津氏 / 軍記 / 地域研究 / 文化資源 / 伝説 |
研究成果の概要 |
『平家物語』に描かれた歴史的存在は、中央と地方で広く共有されてきた。明治から大戦期において、安徳遷幸伝説を有する地方では『平家』の入水崩御は容れられなかった。当該期で中央と地方で共有されたのは「國體」の思想であり、中央から地方の安徳遷幸伝説は排除されなかった(陵墓参考地指定)。これは同時に平家伝説地(落人の里)が近代国家の空間(領土)として均質化されていく過程でもあったと考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『平家物語』の古典文学作品であると同時に、描かれた歴史と人物たちは長い時日をかけてこの国の空間に浸透した「共有される知識」(教養)として存在した。共有された知識は、ときに想像力を以て「地域」の差異を示し、ときに「中央」との同化を図る文化的装置でもあった。特に明治期から大戦時における「郷土史」をめぐる文化的営みは、歴史学においては実証性の観点から排除され、民俗学では柳田國男の研究からさして進展していない。叙上の現状を超える試みとして、各地の「郷土史」の具体相を明らかにし、「地域」の文化史を再発見していく点において本研究の学術的意義が見出だされる。
|