研究課題/領域番号 |
18K00289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 東京大学 (2022) 実践女子大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
河野 龍也 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20511827)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日本文学 / 近代文学 / 台湾 / 中国 / 植民地 / 紀行文 / 草稿研究 / 国際情報交換 / 紀行文学 / 福建省 / 日記 / 国文学 / 佐藤春夫 |
研究成果の概要 |
佐藤春夫は、日本の近代作家中屈指の豊富な人脈に恵まれていた。書簡をはじめとする春夫の旧蔵資料を調査し、多数の新資料から、未知の文壇ネットワークの様相が具体的に分かってきた。とりわけ中国文化人との往来や、アジア紀行に関する一次資料の解析では、春夫が文学者の国際交流において果たした役割の大きさが改めて見えてきた。佐藤春夫研究を軸に、海外の研究者との対話がさらに期待できるようになった。 また、春夫における詩人と小説家という2つの顔の使い分けに注目し、文芸ジャンルと文学者のナショナルアイデンティティが密接な関連性を持つことが分かった。これは近代文学研究に対する一つの新しい問題提起となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特色は、作家の旧蔵資料を整理し、極めて具体的な伝記情報の把握を目指す一方で、海外を含めた近代文学者相互の幅広い交流の実態を解析していく点にある。それは資料研究を作家研究に閉じ込めるのではなく、より広い社会現象の一つとして捉える研究スタイルの新しい提案になったはずである。 また、文学ジャンルが近代的なアイデンティティの問題と強い関連性を持つことに着目した本研究では、佐藤春夫を通じて歴史認識や異文化理解のあり方を現代社会に問いかけた。国内外での展覧会の実施や、文庫本出版による一般的関心の喚起によって、近代文学を読むことが現代社会を理解する有効な手段になることを印象づけることができた。
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