研究課題/領域番号 |
18K00294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高 榮蘭 日本大学, 文理学部, 教授 (30579107)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 非識字読者 / 空間フレーム / 植民地朝鮮 / 帝国日本 / メディア / 出版市場 / 検閲 / 読者 / 冷戦 / 出版 / 図書館 / 非識字 / 東アジア / 翻訳 / 日中戦争 / 文学 / 移動 / 出版資本 / 植民地 |
研究成果の概要 |
1930年前後は帝国日本の出版資本が植民地および軍事占領地域を市場としていた時期である。本研究は、植民地朝鮮出身の読者、とりわけ識字能力のない人々までもが、①帝国日本の合法/非合法出版市の担い手たちによって「読者」として欲望されていたこと、②植民地朝鮮の読者が日本語メディアを積極的に欲望していたこと、③さらに、みずからが「日本語」を拡散させるメディアとなっていたことに注目したものである。本研究は、帝国日本の空間フレームを参照軸としながら、①②③によって作られる新たな文化の編成をめぐる「言語-階級」間の抗争と、それをめぐる記憶が、冷戦構図を媒介に、如何に歴史化されたのかを明らかにしたものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加害/被害、記憶/忘却、戦前/戦後などの二項対立的な思考構図は、第2次世界大戦以後線引きされた国民国家の土台の上で構築されたものである。しかし、本研究は、日本や韓国など、現在の国民国家単位の思考ではとらえることの出来なかった、新たな研究の枠組みの提示につながり、英語圏における「東アジア」学をめぐる線引きに対しても、再考を求めるものになるだろう。このような研究を進めることによって、公式的なものとして承認されたもの、主に著名な知識人が書いた「資料―言葉」だけに自閉しやすい、研究の領土性自体をとらえなおす契機を見出すことが出来ると期待している。
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