研究課題/領域番号 |
18K00295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
岩城 賢太郎 武蔵野大学, 文学部, 准教授 (40442511)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 源平盛衰記 / 平家物語 / 軍記物語 / 整版 / 古活字版 / 乱版 / 出版と流布 / 成簀堂文庫 / 流布本 / 黒川本 / 早稲田大学中央図書館 / 成簀堂文庫蔵源平盛衰記 / 古活字版と軍記 / 整版と軍記 / 乱版と軍記 / 源平盛衰記の和歌 / 蓬左文庫蔵源平盛衰記 / 慶長古活字版源平盛衰記 / 元和寛永古活字版源平盛衰記 / 軍記物語の写本と整版本 / 近世期の出版文化 / 無刊記整版 / 成簀堂文庫蔵写本 / 静嘉堂文庫蔵写本 / 源平盛衰記と太平記 / 軍記物語と流布本 / 石川武美記念図書館成簀堂文庫 / 鶴舞中央図書館河村文庫 / 整版本 / 近世期出版文化 / 治承・寿永の乱 |
研究成果の概要 |
『源平盛衰記』は近世期においては、『平家物語』以上にひろく流布し、多様なかたちで享受されていたが、中世に遡る伝本(写本)はごく限られ、圧倒的に多数の伝存が確認されるのは、本文の用字がルビ付きの漢字と片仮名であり、句読点を伴った整版本である。この整版本の原典は、近世初期に版行された、いわゆる慶長古活字版であるが、慶長古活字版の漢字にはルビはなく、片仮名の本文には濁点、返り点、句読点等もない。つまり、『源平盛衰記』は近世期以降、整版本によって享受され、日本人の源平合戦観の形成にも多大な影響を与えた。本研究は、整版本の形成過程と流布について、全国各地の伝本の閲覧調査をもとに実証的に検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代最大の国語辞典である『日本国語大辞典』(小学館)は、『源平盛衰記』を初出、或いは特徴的な用例として掲げる語が2600項目以上にのぼる。『源平盛衰記』に難語や稀少語が多く見られることはよく知られているが、その読み(訓)の大半は整版本に依拠し、近世期以降は専ら整版本の本文により享受されて来たが、このことは現今の研究において見逃されている。本研究では『源平盛衰記』が、古活字版と整版とを組み合わせた、近世初期(寛永頃か)の乱版として最初に版行され、ほぼ同時並行的に整版本の本文が整備され流布に至ったことを実証した。また中世の『源平盛衰記』本文を追究する有用な資料が複数、伝存することを確認した。
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