研究課題/領域番号 |
18K00310
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
勝山 稔 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (80302199)
|
研究分担者 |
井上 浩一 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 非常勤講師 (40587169)
朱 琳 仙台高等専門学校, 総合工学科, 助教 (50815925)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 翻訳 / 白話小説 / 松枝茂夫 / 西遊記 / 三言 / 二拍 / 民間翻訳 / 榛原茂樹 / 近藤總草 / 辛島驍 / 林房雄 / 宇佐美延枝 / 白蛇伝 / 金子彌平 / 竹内好 / 武田泰淳 / 『西遊記』 / 伊藤貴麿 / 抱甕文庫 / 日刊支那事情 / 赤い鳥 / 民間 |
研究成果の概要 |
本研究では、明代白話小説の自国化の事例研究として民間翻訳の分析を行った。中でも宇佐美延枝、伊藤貴麿、辛島驍、林房雄、榛原茂樹と近藤總草による翻訳の考察を実施し、先行研究の不備を補完した。 宇佐美延枝の翻訳は初めの女性翻訳者であること、そして訓読翻訳の域を脱し口語訳へと向かう過渡期的な存在として重要であった。また近藤總草の翻訳は、白話と文言の何れの箇所においても正確な翻訳箇所が多く、民間翻訳としては高い水準にあり、「三言」所収篇の受容史の上でも、唐話学的な訓読翻訳から学術的翻訳へという流れの中にあって、その過渡期的存在としての民間翻訳の役割を明確に示した翻訳であると言える。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の社会的意義としては、辛島驍と林房雄による白蛇伝の翻訳があげられる。辛島驍翻訳は現存最古の「白娘子」全訳の発見という意義があり、『警世通言』の発見からの受容活動の空白を埋める手がかりとなる。また戦後日本で映画化・アニメ化・演劇化と多彩な受容を見せた日本が受容した作品が明確化したという意義があり、「三言」受容史はもとより「白蛇傳」受容史についても極めて有益である。 また辛島驍の翻訳を手掛かりに翻案が行われた林房雄の『白夫人の妖術』は、中国明代の小説が、戦後日本で読まれるために施された自国化に向けた受容活動の現れであると考えられる。
|