研究課題/領域番号 |
18K00315
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
閻 小妹 信州大学, 全学教育センター, 特任教授 (70213585)
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研究分担者 |
氏岡 真士 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (60303484)
木越 俊介 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (80360056)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日本人作白話小説 / 白話辞書 / 忠臣庫 / 忠臣蔵演義 / 水滸伝と読本 / 江戸読本 / 山東京伝 / 海外奇譚 / 白話語彙 / 忠臣水滸傳 / 中夏俗語藪 / 白話訳 / 江戸小説 / 近代語語彙 / 日本人作白話文 / 忠臣水滸伝 / 海外奇談 / 中夏俗語薮 / 俗語解諸本 / 日本近世小説 / 立正本・岩瀬本 / 沢田本・長沢本 / 俗語解のテキスト / 岩瀬本 / 俗語解の研究史 / 新資料 / 唐話辞書 / 唐話 / 江戸文学 / いろは唐話辞書 / 浄瑠璃の白話訳 |
研究成果の概要 |
山東京伝の『忠臣水滸伝』についてはこれまで多くの先行研究によって『水滸伝』原本、和刻本、通俗本及び唐話辞書類など、いわゆる水滸伝ものとの関係が明らかにされてきた。本研究では、『仮名手本忠臣蔵』の白話訳『忠臣蔵演義』を京伝が参照して書き進めたことを明らかにし、『忠臣水滸伝』の成立にそれが直接関与したことを検証した。京伝が『忠臣水滸伝』を構想するにあたって、浄瑠璃の白話訳『忠臣蔵演義』を入手したことにより、日本の浄瑠璃と中国の白話章回小説『水滸伝』という異質なものを文体的にも内容的にも無理なく結合することが可能になったと言えよう。さらに京伝が唐話辞書『中夏俗語薮』を利用したことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白話訳された『忠臣蔵演義』を『忠臣水滸伝』の中で再度和訳しつつ利用するという京伝の手法は、例の見ない新奇のものであった。京伝が齎したのは、一つは長編小説の枠組みであり、もう一つは新しい文体であろう。日本の浄瑠璃作品を中国白話に訳す、という行為自体の意味について、従来、長崎に来航する清人のために作られたと言われてきた。ただ写本の『忠臣蔵演義』に訓点を付し、漢詩を追加するなどしたうえで、清人に仮託して刊行された『忠臣庫』や、その改題再刊本『海外奇談』、さらには『日本忠臣庫』などと改題を重ねながら、明治に入っても、続々と刊行されていた事情をふまえると、日本人作白話小説の意味を再検討する必要があろう。
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