研究課題/領域番号 |
18K00317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
樋口 大祐 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (90324889)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 記憶 / 物語 / 帝国 / 戦争 / 植民地 / ジェンダー / 鎮魂 / Toxic maschulinity / 軍都 / 新しい女 / 家父長制 / 流民 / 遊郭 / 西南戦争 / 女性 / 非定住 / 物語化 / 芸能 / 死者 / 対抗的語り / 国民史 / 少数者 / ポリフォニー / 満洲 / 英霊言説 / 東アジア / 帝国日本 / 太平記 / 境界線 / 在日 / 海港都市 / 西南・日清・日露戦争 / 集合的記憶 / アジア主義 |
研究成果の概要 |
1870年代に流通した、幕末維新の歴史語りである『近世太平記』のほか、石牟礼道子、立原正秋、陳舜臣等、帝国日本において周縁的なアイデンティティ(女性、植民地出身、「混血」等)を有する1920年代生まれ(いわゆる戦中派世代)の作家たちの諸言説の分析を行った。 『近世太平記』論においては、帝国日本の始発期において前近代の歴史語りが持った影響の在り方について測定した。 また、後者の作家たちの言説研究においては、西南戦争・日清戦争・日露戦争に関する帝国日本の公的な歴史語りの在り方を踏まえたうえで、それらとの差異、帝国の外部に通じる視点からの語り直しの可能性について探求した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1945年まで持続した帝国日本は、敗戦の結果消滅したが、その内的対象化と克服の知的作業は、その後すぐに始まった東西冷戦のために阻害され、現在まで完遂されていない。その結果、幾世代を経た現在の日本社会においても、国際情勢の変化の中で、帝国日本時代の心象地理が再生産される傾向が一部存続している。本研究は、かつて多くの帝国臣民の人生観や行動の選択肢に大きな影響力を発揮した「帝国日本形成の物語」を、個々の局面から描き直し、その影響力、「魅力」や功罪を検討することを通して、現在の社会において必要とされている、当該時期の歴史語りの在り方についての視座を獲得することに資するものである。
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