研究課題/領域番号 |
18K00322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
西田 正宏 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (00305608)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 古今和歌集 / 注釈書 / 古今伝受 / 注釈史 / 古典学史 |
研究実績の概要 |
大阪府立大学図書館蔵の古今伝受関連資料の奥書を翻刻し、詳細な解題を作成するために、個別の資料の検討、考察を進めている。あつかっている資料群は、いくつかの伝書をまとめているものが多く、どういう人物が、どういう系統の伝書を、どのようにまとめ、一書を形成しているのかを見究めるべく、検討を重ねている。そのためには、他の機関の所蔵する類似の伝書への目配りが欠かせない。したがってより多くの伝書を網羅的に調査する必要があるが、コロナ禍のため、出張ができず、来年度に持ち越すことになった。研究が予定通りに進捗しているとは言い難い状況である。 来年度までの延長が認められたので、その点を最優先にまとめるよう努力したい。一方で、そのような状況であったが、大阪府立大学と大阪市立大学が統合し、ひとつの大阪公立大学になったことによって、本研究に有利にはたらいた面がある。それは(旧)大阪市立大学の森文庫所蔵の古今伝受関連資料が、自由に閲覧できるようになったことである。上述したように、コロナ禍で予定していた現本調査ができなかったなかで、森文庫の調査ができたことは、大きな収穫であった。森文庫は目録の書名からだけでは、どのような内容の資料であるのかがわかりづらく、その点からも、今回、大阪公立大学の教員として、何の手続きの必要もなく、森文庫を利用できることは、今後の研究(本研究についていえば来年度ということになるが)にとってもすこぶる有効であるといえる。 なお、小澤蘆庵『古今注解』の検討、特に他の注釈書との比較については、継続して進めているところであるが、全体を把握しての発表までには、今しばらく時間がかかる。大阪府立大学(結果として大阪公立大学所蔵となった)のものは、中巻にあたる部分を欠いており、完全にそろった注釈書の出現が期待される。古書店の目録の調査も含め、引き続き気を付けておくことにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、他の所蔵機関の十分な調査ができていない。結果的に個別の伝書の翻刻や活字になっている注釈書の検討など、できることをできる範囲で行うよう努めたが、伝書の比較などできていないことも多い。本課題の目標である奥書の集成、検討が完成していない。特に他機関の同種の伝本の調査・検討が不十分であるということを鑑みれば、上述のように、森文庫の調査ができるようになったとはいえ、研究が順調に進展しているとは言い難い。
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今後の研究の推進方策 |
本課題は当初は4年で計画されていたが、コロナ禍の影響もあり、結果的に来年度までの延長が許された。管理職として2大学の統合、新大学の設立に関わったため、ここ数年は十分な研究時間が確保できなかった。そういう意味でもこの延長措置はありがたいものであった。管理職は続くが、来年度は、予定していた調査も行いたい。また上述のごとく、大阪府大と大阪市大の大学統合が本研究にとって、有効な面ももたらした。それは、森文庫の調査が容易になったことである。森文庫にも伝書は多く所蔵されており、従来、目録の書名からでは判別できなかった古今伝受関連資料の調査を進めることができた。まだまだ関連する多くの伝書が存在すると思われるので、調査は継続して行いたい。昨年同様 個別の資料の翻刻は進んでいる。研究史的意義を考慮しながら、来年度以降、順次公刊することにしたいと考えている。
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