研究課題/領域番号 |
18K00323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
鈴木 元 熊本県立大学, 文学部, 教授 (40305834)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 長崎道中日記 / 黄花庵升六 / 加島英国 / 臼杵博識誌 / 臼杵藩 / 陰陽師 / 俳諧 / 陰陽道 / 加島家 / 臼杵 |
研究実績の概要 |
本年度は計画の最終年度であり、当初予定していたとおり、加島家資料の目録を完成させ公刊の予定であった。目録印刷前に臼杵市において個々の資料との最終的な突き合わせを行う予定であったところ、臼杵市の担当者の方の事情により確認作業が延期となり、そのために計画を一年延長することとなった。ただし、年度後半に確認作業だけは完了させることができたため、目録そのものは印刷を残すのみでほぼ完成の状態とすることができた。 目録は、解題編として研究代表者鈴木による資料活用のの伝来と、寄贈から本調査にいたるまでの紆余曲折を紹介し、資料の今後の活用に資するよう配慮した。目録本体については、大きく典籍・文書・諸資料に分け、活用の便をはかった。また資料編として、加島英国宛ての黄花庵升六書簡の翻刻を付した。書簡の宛先である加島英国は、本研究の対象である加島家資料の基幹部分をなした、加島家の重要人物であり、書簡の差し出し人の升六は大坂の俳諧師である。 この書簡資料の翻刻と対をなす、資料解題が研究協力者の湯谷祐三氏により、目録とは別に発表されている(熊本県立大学『国文研究』第67号、令和4年9月刊)。そもそも、加島家資料は近世末の臼杵において、一般には無名ながら、書画、俳諧、年代記編纂その他に活躍した異才の人物の、多方面にわあたる活躍を映し出す資料群であり、今後、それら個々の資料を読み込むことで、近世末の地方文化のあり方が浮かび上がるはずであり、同時代において大坂で名の知られた俳諧師との交流を示す当該の書簡の紹介は、ひとまず俳諧に限った成果ではあるものの、英国のマルチタレントぶりを鮮明に示す一例となっている。 なお、同じく研究協力者の德岡涼氏による『長崎道中日記』の翻刻も昨年度に引き続き発表されている(『熊本県立大学文学部紀要』通巻第82号、令和5年2月刊)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染症の影響により、調査の中断という事態が生じ、研究期間の延長のやむなきに至ったものの、資料目録は刊行の目処がたった。
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今後の研究の推進方策 |
目録については印刷に回すのみという状況になっている。今後の研究としては、昨年度、偶然に所在を確認した加島英国の地誌文献の調査を行う必要がある。すでに臼杵市とも連絡をとりつつ、調査および写真撮影のための手続きを進めている。この文献は、大分市の先哲資料館にも伝存していることが報告されているが、それと対比できる新たな伝本の出現をふまえ、加島英国の別の一面での活躍を明らかにすることができるものと思われる。 研究の最終年度ということもあり、加島家資料以外の臼杵市保管資料により、加島家資料の周辺の事情を明かにできることはないのか、確認を進める計画である。
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