研究課題/領域番号 |
18K00326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石川 透 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (30211725)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 丹緑本 / 江戸時代前期 / 版本 / 奈良絵本・絵巻 / 御伽文庫 / 江戸時代初期 / 絵入り本 / 御伽草子 / 幸若舞曲 / 奈良絵本 |
研究成果の概要 |
丹緑本とは、江戸時代初期に制作された版本に彩色を施した絵本群のことである。その国内外に存在する伝本を調査研究する予定であったが、残念ながら2019年度末から流行した新型コロナ感染症の影響を受け、国内外の調査はほとんどできなくなってしまった。研究期間を2年延長したが、予定した海外調査のほとんどは、実現できなかった。しかし、国内での調査や既に所持している画像での研究は進めることができた。その結果、最も大きな謎であった、丹緑奈良絵と呼ばれる、御伽文庫の初版は、後世の塗り絵ではなく、版本制作時に、制作業者によって色付けされたものと推測できるようになった。その版木を元に御伽文庫本が量産されたのである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新型コロナ感染症の影響を大きく受け、原本調査はあまり進められなかったが、丹緑奈良絵と呼ばれる丹緑本が、御伽文庫本と同じ版木を使用していたことを明らかにできたのは、今後の研究に大きな意味を持つ。従来、御伽文庫本は、その刊記の存在から、江戸時代中期に心斎橋の渋川清右衛門によって刊行されたと考えられてきた。しかし、それより七十年ほど前に、既に版木は作られていたことになり、御伽草子の流行期に近い時点で出版されていたことになるのである。その初版を出版したのも、渋川清右衛門の先祖ということも考えられ、丹緑本のみの研究ではなく、江戸時代の出版文化史の研究との比較が重要になってきたのである。
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