研究課題/領域番号 |
18K00344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 大東文化大学 (2019-2020) 東北大学 (2018) |
研究代表者 |
佐竹 保子 大東文化大学, 外国語学部, 特任教授 (20170714)
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研究分担者 |
齋藤 智寛 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10400201)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 中国文学 / 六朝詩 / 仏教思想 / 漢訳仏典 / 禅語録 / 中国思想 / 禅の語録 / 詩の注釈 / 六朝時代 / 唐代 / 唐詩 |
研究成果の概要 |
謝霊運(385~433)を創始者とする中国六朝時代後期の山水詩、およびそれらに対する注釈者・評者たちの言葉を解読することによって、謝霊運最晩年に書かれた詩に対する、清代に行われて今も踏襲されている校勘が誤りであることを証明し、詩の言葉と共通性を有する言葉を含む当時の仏教文献を探索して精読し、その文脈を重ね合わせることで、詩の読解を深めつつ、詩に対する仏教思想の浸透を探り、中国山水詠出現の要因の一端を考察するとともに、謝霊運最晩年の詩が唐代禅思想に先駆ける一面を持つことを提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、中国六朝期の文学について、文学研究者と仏教思想研究者が連携して共同研究を行った、管見の限り稀なケースであり、当時の文学における仏教思想の影響を従来より具体的に提示した。また当時の山水詠は、紀元前の「詩言志」説や二~三世紀の「詩縁情」説といった詩歌観からは生まれがたく、むしろ情の滅失や浄化を願う対象への「観」としてとらえうる。よって、この時期に、仏教思想を介して文学観の転換が起こっていることを示し、さらに従来の詩歌観が「情」「志」に固執する人中心主義homocentrismであるのに対し、新たな詩歌観は命中心主義xenocentrismで、現代的課題に連なる一面を有することを示した。
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