研究課題/領域番号 |
18K00353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
野村 鮎子 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (60288660)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 哀悼文学 / 亡妻 / 墓誌銘 / 行状 / 明清文学 / 悼亡 / 亡妾 / 亡妻墓誌銘 / 亡妻行状 / 祭亡妻文 / 明清散文 / 哀悼 / 憶語 / 聘妻 / 舒夢蘭 / 『花仙小志』 |
研究成果の概要 |
中国の文人が亡妻を哀悼するために自ら書いた墓誌銘や祭文は、中唐や晩唐の文人の文集に散見されるが、この時点で一般化していたとはいいがたい。文人が自らの家の中の女性を描写することは、儒教的な礼の規範を逸脱した行為だったからである。しかし、明になると、妻に先立たれた文人は必ずといっていいほど墓誌銘や祭文を執筆するようになる。さらに明清には亡妻を哀悼するために、本来は男性を顕彰するための伝記文だった「行状」という長篇の散文も用いるようになる。哀悼の対象も亡妻から亡妾へと拡大した。こうした亡妻哀悼文学の発展の背景として、明清の文人社会の間で夫婦の情に共感する心性が醸成されていたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの亡妻哀悼文学の研究はおおむね潘岳の「悼亡詩」以来、詩を中心に進展してきたが、その対象時期は宋代までにとどまっていた。亡妻(妾)の哀悼文学としては明の張岱『陶庵夢憶』や清の冒襄『影梅庵憶語』がよく知られているが、本研究は、明清の亡妻墓誌銘、亡妻行状、祭文などの散文形式の哀悼文学を通史的に考えたもので、これまでにない視点である。また、家の中の女性のことを語るべきではないという儒教の伝統的な「礼」の規範と文学による「情」の発露のせめぎ合いの間でどのように女性を語る文学が発展したか、明清における亡妻哀悼散文の流行の背景と特徴を明らかにした。
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