研究課題/領域番号 |
18K00356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
谷口 高志 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (10613317)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 趣味 / 嗜好 / 偏愛 / 日常 / 個性 / 文人 / 中唐 / 白居易 / 生活様式 / 身体 / 感性 / 愛好 / 唐代文学 / 蒐集 / 生活 |
研究成果の概要 |
本研究では、従来「文人趣味」として一括りにされてきた趣味・嗜好の問題を扱い、その営みにどのような意義や価値が見出されてきたかを、唐宋の文学作品を通して考察した。趣味的生活が活発化する中晩唐期について主に検討し、文人たちが自己と他者を差別化するものとして嗜好を捉え、その営みを通して自身の個性を主張しようとしていたこと、また嗜好の営みにそのような重要な価値が見出された背景として、当時における社会構造の変化が指摘しうることを論じた。あわせて中唐を代表する文人・白居易の音楽趣味に関する詩文について個別に分析を行い、彼がその楽しみ方を通して、自らの固有性を緻密に表現しようとしていたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
詩歌や書画などに没入する中国文人の生活スタイルは、いつどのように発生し、いかにして定着したのか。本研究は、文人趣味の萌芽期とされる中晩唐期の文学作品を通して、この問題の解明を試みたものであり、趣味・嗜好の営みを、文人の自意識に関わる重要な問題として捉えた点、その営みを当時における社会構造の変化と結びつけて考究しようとした点に、大きな学術的意義があると考えられる。また趣味・嗜好は、現代においても自己のアイデンティティを映す鏡として意識されているが、本研究は趣味・嗜好の持つそうした普遍的な機能や役割を、前近代の中国に遡って探求するものであったといえ、その意味において少なからぬ社会的意義を持つ。
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