研究課題/領域番号 |
18K00361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 東海学園大学 |
研究代表者 |
松尾 肇子 東海学園大学, 人文学部, 教授 (20202319)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 宋詞 / 冠柳 / 柳永 / 王観 / 晁補之 / 康与之 / いんかつ / 集句 / 典故 / 転踏 / 調笑 / 『楽府雅詞』 / 高宗 / 秦檜 / 雅詞 / 雅楽 / 詩淵 / 高麗史楽志 / 寿詞 / 連作 / 減字木蘭花 / 花庵詞選 |
研究成果の概要 |
本研究では、宋代に「冠柳」と称された三人の官僚詞人、王観・康与之・晁補之をとりあげ、柳永が開拓した修辞法の選択と展開の実相を明らかにした。また、王観についてはその詞の国外への伝播や寿詞を例とした芸能との接点など多様な視点から考察を加え、晁補之については当時発展した詩的技法の摂取と詞的変容を跡付け、康与之については浮沈の激しい彼の生涯をたどりつつ北宋末南宋初の複雑に変化した社会における歌辞文芸の役割を考察して、北宋中期から南宋初期にかけての官僚社会における雅詞の発展とその受容を多角的に解明した。その成果は論文及び訳注として公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
柳永は歌辞文芸の詞を飛躍的に発展させたが、放蕩に生きた前半生や俗語なども使用してリアルな人間を描いたことに批判も多い。しかし「冠柳」の評語はその柳永詞に追随した数多くの詞人が存在したことを示す。本研究でとりあげた王観・晁補之・康与之の三人の「冠柳」詞人は、浮沈の激しい官僚人生を送ったが、柳永の後を襲う詞によって士大夫社会で名声を得た。本研究は、雅詞の進展において柳永が残した各種の修辞技法は踏襲され発展したが、具体性が捨象された観念的な人間の描き方になりがちだったこと、また諸芸能と境を接する演唱の果たした役割が小さくなかったことを明らかにできた点で意義を有する。
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