研究課題/領域番号 |
18K00383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
永富 友海 上智大学, 文学部, 教授 (60305399)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | センセーショナリズム / 正典形成 / 大衆小説 / 19世紀イギリス小説 / Mary Elizabeth Braddon / センセーション・ノヴェリスト / 高級娼婦 / ヴィクトリア朝正典小説 / 堕ちた女 / 労働者階級の女性と仕事 / ハイド・パーク / 水治療 / 正典作家 / ヴィクトリア朝 / リアリズム / ダーウィニズム / ヴィクトリア朝小説 / George Eliot / Catherine Walters / pretty horsebreaker / horse-tamer / イエロー・バック / horsebreaker / M・E・ブラッドン |
研究成果の概要 |
本研究はメインストリームの作品と大衆小説が共有するセンセーショナリズムの言説を探り当てることで19世紀イギリス小説史の正典性をめぐるイデオロギーを解読した。近年の文学史の見直しにおいて、センセーション・ノヴェルの参入は文学史の構造的変革をもたらしたが、その領袖であるWilkie Collinsに比して、M・E・Braddonは当時の社会の階級的侵犯に関わる言説と深く結びつきながら、十分な検証が成されているとは言い難い。正典への格上げを狙った文筆活動や雑誌編集に携わったBraddonを糸口とすることで、センセーショナリズムの作用の広がりを明らかにし、文学史における正典性のイデオロギーを分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この数十年間にわたりイギリス文学の領域ではジェンダー、階級、人種のマイノリティに焦点を当てる批評の流れのなかで正典を巡る変化が着実に進行している。正典作家たちが巧みに回避した結果、英文学史の死角となっている当時の言説に切り込む本研究は、従来の英文学史からすっぽり抜け落ちている欠落を埋め、英文学史の正典形成のイデオロギーを明るみに出し、文学史の新しい見取り図を描き出す一助となるものである。
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