研究課題/領域番号 |
18K00385
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
|
研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
伊藤 淑子 大正大学, 文学部, 教授 (50223201)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 女性の言説 / 言説的戦略 / アメリカン・ルネサンス / マーガレット・フラー / フェミニズム / 19世紀女性作家 / 19世紀アメリカ文学 / Margaret Fuller / フェミニズムの系譜 / アメリカ文学 / 女性の表象 / 戦略的言説の分析 |
研究成果の概要 |
19世紀中葉のアメリカン・ルネサンス期に、アメリカ文学はナショナルな文学ジャンルとしての地盤を確立するが、そのなかで女性の文学的自己表象の言論がどのように形成されたのかを、文学研究と社会改革の連携の可能性を探求する。超絶主義、黒人奴隷制廃止運動、女性参政権運動などに携わった女性たちの言論、女性作家による文学作品、男性主流作家が描く女性像を横断的に検証し、新聞、雑誌などのメディアにも目を配る。精神の自由を謳う超絶主義の時代にあって、権利を制限され、規範的な性役割に束縛される女性たちが、どのように言論の「主体」となろうとしたか、いかなる自己の表象を獲得しえたかについて検証する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
周縁に置かれた者の主体性確立の言説的な戦略を探ることによって、主流文化からの疎外と規範の呪縛を超越する新たなアイデンティティがどのように模索されたのかを明らかにする試みは、性差別にとどまらず、現在もなお残る偏見や差別を乗りこえて主体性の尊厳を獲得するための示唆となろう。現代に立脚し、19世紀の状況を踏まえつつ、20世紀以降の批評理論を用いて、共時的かつ通時的に考察することは、19世紀の限界を現代から批評することが目的ではなく、むしろ現代的視点によってこそ、19世紀の女性たちの言論による挑戦の意義が明らかになると考えるからである。不利を逆転させる言説的戦略は時代を超える普遍性を有すると考える。
|