研究課題/領域番号 |
18K00390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
冬木 ひろみ 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10229106)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | シェイクスピア / マニエリスム / エクフラシス / 視覚表象 / パラドックス / 『リア王』 / 後期の劇 / パースペクティヴ / 十二夜 / ロマンス劇 / 仮面劇 / エンブレム / 視覚的表象 / 舞台表象 |
研究成果の概要 |
本研究では1600年前後および後期のシェイクスピア劇に見られる視覚表象の手法を分析していったが、劇作家の手法はエクフラシス的描写から次第に難解で歪み・ねじれを伴ったマニエリスム的な筆致が多くなってゆくことが確認できた。ただしシェイクスピアの視覚表象の手法の変容は、これまで指摘されてきたベン・ジョンソンの仮面劇の影響だけでなく、それ以上の比重でシェイクスピア自身の筆致が視覚重視へ、つまりセリフのない舞台上の表現を入れ込むことへとシフトしていったことがわかった。さらに後期の劇においては当時の偶像崇拝に対する規制の中でスリリングに「神秘的な見せる場面」を現出させる手法へと繋がってゆくことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで視覚に関する研究を重ねてきた私見によると、シェイクスピアの視覚的な表現は、比較的単純に絵画的に場面を描くことから始まり、次第に言語の力を越えた、マニエリスム的なねじれを持った絵画の手法を彷彿とさせるものになっていったと考えられる。それは彼自身の劇作過程における言語表現の変容・深化を表すとともに、この時代の文化の中の劇のあり方の方向性を如実に表すものでもあったのではないだろうか。この点を解明する本研究は、時代の中におけるシェイクスピアの劇作手法の過程を新たな視点から実証的に示すことにつながるであろうと考えている。
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