研究課題/領域番号 |
18K00407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 中央大学 (2021-2022) 国士舘大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
河田 英介 中央大学, 人文科学研究所, 客員研究員 (10756266)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | モダニズム / アーネスト・ヘミングウェイ / 詩学 / 文体美学 / アメリカ文学 / ジェンダー / セクシュアリティー / 20世紀アメリカ / 文体 / 美学 / 宗教 / 修辞芸術 / セクシュアリティ / 帝国主義 / 短編研究 / 1920年代 / 短編小説 / 修辞 / スタイリスティクス / リアリズム |
研究成果の概要 |
本研究は、20世紀米国作家アーネスト・ヘミングウェイの1925年から1936年までの短編諸作品における文体(スタイル)の分節化からその文体美学とそのリアリズムがつくりだす修辞芸術性を明らかにし、イデオロジカルな言説がこれまで解体してきたヘミングウェイ文学を修辞・審美の地平から問い直し、再統合を試みた。「キリマンジャロの雪」(1936)を重心的テクストとして、他の関連テクストを分析することで、本研究は作家の文体美学が 「ディスフィギュレーション(脱=形象化)」と呼ぶべき表現手法を目指しており、それは最終的に<カタチ>を消散させ、<白>という(虚)無に向かう書法のメカニズムを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、現代世界が様々なイデオロギーによってますます分断化されている状況において、人文科学の基礎的研究として価値をもつものである。というのも本研究は、人間の感覚に共通する審美的感性を基に、国境・人種・文化を超えて伝播されていく<スタイル>という修辞芸術性の観点から短編作品を読み直し、分断された世界を再統合するための枠組みを文学的言説から提出することだからである。文学研究の潮流が<スタイル>を過小評価する偏った潮流にあることからも、本研究は文学作品の審美的性質を再検討することによって、より包括的な観点から文学作品と文学研究の存在意義と実践的な社会的有用性をあらためて再確認したものである。
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