研究課題/領域番号 |
18K00411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 学習院女子大学 (2020-2022) 山梨大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
澤田 知香子 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (00456493)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ミュリエル・スパーク研究 / 女性作家 / 現代カナダ小説 / 女性とバイオレンス / 女性と身体 / ジェンダー / home / 現代女性作家 / スコットランド現代小説 / カナダ現代小説 / 身体と バイオレンス / スーパーナチュラル / 土地 / 身体とバイオレンス / 土地(Home, Community) / 女性の自己構築 / バイオレンス・(流)血 / ミュリエル・スパーク / 現代女性小説 / スコットランドの現代作家 |
研究実績の概要 |
1)前年度から引き続き一次資料及び二次資料の調査を行った。本研究の主軸となるミュリエル・スパーク研究において、「女性のバイオレンス」及び「女性の身体」のテーマで日本の現代女性作家・作品との比較検討へと視野を広げてきた。2013年度芥川賞受賞作家の藤野可織氏に、スパークの小説と共通のテーマを持つ同氏の短編小説(現在、文化庁が主催する翻訳コンクールの課題ともなっている「私はさみしかった」)などを取り上げ、取材を行った。 2)前年度より着手している現代イギリス作家シリーズの刊行企画(三修社)、ミュリエル・スパークの巻執筆の準備のため、一次資料の読み直しを継続するとともに、近年の論集(Robert E. Hosmer Jr.編著・Hidden Possibilities [2014]、Gerard Carruthers編著・The Crooked Divined [2022])などを中心にスパーク研究のレビューを行いアップデートを進めた。 3)現代カナダ文学研究の分野については、計画した通り、「女性の身体」のテーマと関連して進めてきた「老い」のテーマで、2014年出版のマーガレット・アトウッドの短編集『ストーン・マットレス』を取り上げ、スパークの『死を忘れるな』などとの比較もまじえて「老い」を語るということに注目しつつ分析・検討を行い、論文を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スパーク研究の学術書執筆を端緒に、より長期的視点でスパーク研究の計画を見直してきたが、そのなかでスパークの最も重要な著書のひとつThe Driver's Seat (1970)の翻訳を行い、現在、刊行の計画に着手するところまできた。コロナ禍での制限が緩んできたこともあり、取材活動を徐々に再開することもできたため、スパーク研究における共通テーマで取材した作家の藤野氏を所属研究機関での特別授業に招き、研究活動の一環として教育現場にその内容を発信することもできた(https://www.gwc.gakushuin.ac.jp/news/2023/02/post_457.html)。 また、研究実績の概要(3)で述べたとおり、主要な研究テーマのひとつで論文を執筆、発表した。 定期的に行ってきたスコットランド国立図書館での調査や現地での取材・情報収集については2023年のアーカイブ調査実施を予定してキュレーターとの情報交換も行っており、一定の成果とこれらの活動実施予定から、見直した研究計画は順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
「研究実績の概要」で述べたように、本研究課題における主たる対象であるミュリエル・スパークを取り上げた学術書の執筆を進める。それに先立ち、同じく上述したスパーク作品の翻訳を解説を加えて発信できるよう刊行実現を目指す。2022年度内に検討を続けてきた近年のスパーク研究の動向調査を深めるため、2023年度内にスコットランド国立図書館でのアーカイブ調査と取材を実施する。スパーク研究の最前線を知るスコットランド国立図書館のColin McIlroy氏との意見・情報交換については、現地での取材にとどめず、所属教育機関でのレクチャーという形でその内容を発信できるよう計画を立てている。 日本人研究者としての視座を意識した研究活動については、引き続き藤野氏への取材を行い、より充実した形で教育現場での成果発信へと繋げていく予定である。
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