研究課題/領域番号 |
18K00417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
遠田 勝 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (60148484)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ラフカディオ・ハーン / 木下順二 / 『夕鶴』 / 民話 / 民話劇 / 小泉八雲 / 「雪女」 / ハーン / 「耳なし芳一」 / オリエンタリズム |
研究成果の概要 |
本研究の成果は、ラフカディオ・ハーン等、明治期の英米系ジャパノロジストによって英語化された、日本の神話・伝説・物語などが、日本に逆輸入され、それら英語化された物語に潜む、リアリズムとサスペンスを基調とする近代西洋のナラティブと、オリエンタリズムに由来する異文化描写が、日本の「伝統的」物語の再生に取り組む作家や語り手たちに強い印象を与え、「民話」と呼ばれる、新しい地方の文芸の創出に関与したこと、さらには、戦後、「活字」メディアから「舞台・演劇」「漫画・アニメ」へと拡散するなかで、「近代西洋のナラティブ」と「異文化描写」が一定の役割を果たしていたことを論証したことである
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハーンの怪談で戦後もっともマルチメディア化の進んだ「耳なし芳一」、「雪女」を分析することで、民話と近代西洋のナラティブおよびオリエンタリズムとの関係の一端を明らかにし、また、近代民話劇の創始者であり『夕鶴』の作者である木下順二が失敗作として意図的に「埋没」させてしまった、書き下ろし歌舞伎台本「雪女」」を取り上げ、その内容と成立過程を、第二次世界大戦後の「民話」のマルチメディア化の文脈のなかで検証し、その執筆と上演の背後に、木下のハーンへの強い対抗意識が見られることを指摘し、ハーンと木下が民話の近代化に果たした役割の相似性、および影響関係の可能性を指摘した。
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