研究課題/領域番号 |
18K00427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
笹川 渉 青山学院大学, 文学部, 教授 (10552317)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 初期近代 / イギリス詩 / 王党派 / ミセラニー / 手稿 / 歌集 / メランコリー / 王党派詩人 / Richard Lovelace / 詩集 / イングランド共和制 / 初期近代イギリス / イングランド / チャールズ1世 / ジョン・ダン / クローリス / 共和制 / 雑録 / アンソロジー |
研究成果の概要 |
本研究課題では、共和制下における王党派の詩集および歌集に政治性とメランコリーの特徴が見られることを、口頭発表および論文を通じて公表した。主たる研究成果は、共著書の1章として発表した「牧歌と神話のクローリス――イングランド内乱期および共和制下の歌集から――」、および論文「メランコリックな王党派詩人――ラヴレースの『ルカスタ』」の2点である。両論では、印刷本や手稿での受容から、王党派詩人が執筆した恋愛詩が、政治的には国王や女王への忠誠を誓う作品として読解されていたことを明示した。後者の論では、内乱により不在となった国王への忠誠を、恋愛詩に表現される愛のメランコリーという観点から分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の初期近代イギリス文学研究ではあまり重視されてこなかった、共和制下における王党派の詩集および歌集に注目することで、王党派の韻文がどのように流通し、受容されていたかを考察した。手稿における王党派の詩の受容を考察した結果、共和制下においては恋愛詩が政治的な抵抗手段として大きな役割を担っていることが明らかになった。恋愛詩は共和制以前の記憶を喚起しながら、手稿の上で繰り返し再生産され、さらに歌集としても流布し、抑圧された娯楽を紙上で再現した。さらに、リチャード・ラヴレースの詩に見られるように、不在の国王を恋人として呼びかける詩群からは、愛のメランコリー気質を持った語り手の姿が浮き彫りになっている。
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