研究課題/領域番号 |
18K00432
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
|
研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
吉田 直希 成城大学, 文芸学部, 教授 (90261396)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | トラベルライティング / 公共圏 / 財政=軍事国家 / イギリス / ゴシック小説 / トラベル・ライティング / 感受性 / 名誉革命 / 消費文化 / ジャコバイト / ホイッグ主義 / 社交空間 / 戦争 / グローバル / トラヴェルライティング / メソディズム / アダプテーション / 旅行 / 階級 / 人種 / ジェンダー |
研究成果の概要 |
長い18世紀の転換点に位置するローレンス・スターンの『センチメンタル・ジャーニー』が世紀前半のテクスト群をいかに翻案しているかを旅行者の分類がもつ政治的意味とともに歴史的に検証した。また、旅行者の移動が意味する経済的諸問題をイギリスの財政=軍事国家論との関わりを軸に考察した。さらに、社交空間と消費空間の構造分析をグローバル市民社会の誕生に関する歴史研究に接合して、コーヒーハウスにおける印刷出版文化、スティールやゲイの劇作品、フィールディングの小説作品に応用した。その上で、研究総括として1760年代のトラベル・ライティングの影響の下に生まれたゴシック小説の超自然表象の歴史的考察を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、トラベルライティングの分析にあたって、作品に登場する旅行者の身体/精神の相互関係を長い18世紀の文学史に沿って検討した点に認められる。コーヒーハウスにおけるパンフレット文化、世紀前半の劇作品、さらには中葉のリアリズム小説を視野に入れて時間的・空間的移動が表す多様な文化的意義を明らかにした。とくに、旅行者の人種、階級、ジェンダー、セクシュアリティに注目することで、身体/精神の相互関係を多面的に描き出すことができた。さらに、長い18世紀におけるイギリスの財政=軍事国家の誕生を21世紀の歴史化に接合する可能性を示すことで、イギリス文学研究の今日的意義を表す研究となっている。
|