研究課題/領域番号 |
18K00439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
中村 仁紀 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (30582564)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ロマン主義 / 想像力 / 仮説 / ビルドゥング / 体質・体制(constitution) / 経験科学 / 帰納法 / コウルリッジ / 体質/体制(constitution) / 方法論方法論 / 科学哲学 / 方法論 / プラグマティズム / ロマン主義時代の化学研究 / 目的なき合目的性 / Bildung |
研究成果の概要 |
本研究課題は、イギリス・ロマン主義の思考様式を、18世紀経験科学における帰納法の方法論上の問題から捉え直し、その限界のなかから生まれてきた「仮説思考」がいかにしてロマン主義時代の想像力/創造力の原理として発展していったかを歴史的に跡付けるものである。文学批評・哲学・科学・歴史・医学(生理学や病理学)といった複数の領域にまたがるS・T・コウルリッジのテクストを軸にしながら、ロマン主義における論証や理論構築の手続きの中に経験科学的な方法の痕跡を見出しつつ、それが19世紀前半の新しい学問諸分野を支えるパラダイムの形成にいかに寄与しているのかも合わせて考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、ロマン主義に対する文学研究的なアプローチから一旦離れて科学的方法論の観点から捉え直したことにある。一般的にロマン主義は18世紀科学の認識論の制約から自由になり、より創造的な思考や表現を可能にする芸術様式として捉えられがちであるが、本研究では、ロマン主義をむしろ(経験の集合から知を構築するための「原理」を模索するという点で)経験科学的思考が内側から変容していく歴史的過程のうちに捉える地平を提示した。また、ロマン主義の言説における論証や表現、言語運用を支える思考のあり方そのものを他領域との接点から考察することで、その学際的・領域横断的な性格に光を当てることができたと考える。
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