研究課題/領域番号 |
18K00444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
糟谷 啓介 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (10192535)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | イタリア語 / マンゾーニ / レオパルディ / 近代性 / 言語問題 / 言語論 / イタリアの「言語問題」 / 言語の近代性 / 言語規範 / 言語 / イタリア |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、マンゾーニとレオパルディという19世紀イタリア文学を代表する二人の文学者による言語の「近代性」の追求の諸相を明らかにすることにある。マンゾーニは、自身の言語理論を実践に厳格に適用し、創作においても政策においても、一貫してフィレンツェ口語による単一言語主義的解決策をとった。それに対して、言語の本質を多様性と動態性に見ていたレオパルディは、言語に単一の規範を押し付けることに反対した。しかしレオパルディは、近代性そのもののなかに、言語の力の衰弱を招く要因があるとも考えていた。レオパルディの言語思想の特徴は、近代性の追求そのもののなかに近代批判が内包されていた点にある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、イタリアの「言語問題」が19世紀になって新たな展開を見せたことを、マンゾーニとレオパルディという二人の文学者の格闘を通じて明らかにしたことにある。マンゾーニについては、フィレンツェ中心主義の原理が言語理論、執筆過程、政策提言のすべてを結びつけていたこと、また、レオパルディについては、その言語思想のなかにニーチェを思わせるような近代批判と言語の比喩性についての洞察が含まれていることを重視した。社会的意義としては、本研究で論じた言語と文体の問題は、社会、文化、政治に直結する問題であり、イタリア語だけではなく、あらゆる言語に共通する問題であることを明らかにした点にある。
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