研究課題/領域番号 |
18K00446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
佐藤 文彦 金沢大学, GS教育系, 准教授 (30452098)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ドイツ文学 / 児童文学 / おじさん・おばさん / おじさん / 聖家族 / 父娘関係 / 独文学・独語圏文学 |
研究成果の概要 |
本研究では20世紀ドイツ児童文学に描かれた「おじさん」表象の分析を通じて、近代家族制度の変遷とその多様化の実態について考察した。その結果、父権の失墜あるいは父親不在という現実を背景に、ベルリンを中心に展開された両大戦間期の都市型児童文学において初めて自由で陽気な「おじさん」的人物が活躍したことを突き止めた。この「おじさん」的存在はナチス政権下においてふたたび強い父親像に取って代わられるが、今日的観点からは戦後の多様な家族のあり方のさきがけとして位置付けられることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子どもの成長にとって「おじさん」的人物が果たす役割に着目した本研究の社会的意義は、近代市民社会において絶対視されてきた両親と子から成る聖家族モデルの相対化を促し、多様な家族のあり方を肯定するドイツ児童文学の紹介と普及を行ったことである。その起点を本研究は両大戦間期に求めたが、その結果、ドイツ本国では忘れられ、わが国ではこれまで知られることのなかったエーリヒ・ケストナー以外の両大戦間期ドイツ児童文学の作家・作品の発掘につながった。家族をめぐる近現代ドイツ児童文学史研究の空白を埋めることができたことは、本研究成果の学術的意義として挙げられよう。
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