研究課題/領域番号 |
18K00448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松澤 和宏 名古屋大学, 人文学研究科, 名誉教授 (30219422)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 宗教 / 倫理 / フローベール / モダニズム / 写実主義 / 草稿 / 小説の語り / 自由間接話法 / 愛 / 語り / アイロニー / 『純な心』 / 作中人物 / 草稿研究 / 「純な心」 / 赦し / 聖性 / 美学 / 形而上学 / 現代性 / 文学批評 |
研究成果の概要 |
本研究は、形式主義的なモダニズムによってしばしば軽視されてきたフローベール文学の倫理的宗教的側面に光をあてることを目的としている。フローベール文学がはらむ形而上学的次元と倫理的問いかけを、作品のテクストや前テクスト(草稿)などの具体的な分析を通して明らかにし、さらに社会的文学的文脈に位置付けながら解釈を提示した。 その主要な成果は、フランスのパリでの国際シンポジウム(2022年)、及び日本での国際シンポジウム(2023年)での好投発表及び日本フランス語フランス文学会誌『littera』(2021年) に掲載された論文等々に示されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フローベールの文学は、1960年代後半以降、その小説技法の現代性が注目を集め、マラルメからジョイスを経てヌーヴォー・ロマンに至るモダニズムの観点から読解が進められてきた。そうした観点はフローベールの作品が投げかける倫理的宗教的な問いかけを正面から受け止めることがなかった。しかし作家の書簡に明らかなように、作家は同時代の政治や社会の動向に「熱烈なリベラル」として批判的視線を注いでおり、また宗教的なものを最も重要なテーマとして捉えていた。作家の思想と作品との複雑で緊密な関係を明らかにすることは、同時に多くの研究者の囚われている現代的先入見を問題化することに直結するだろう。
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