研究課題/領域番号 |
18K00450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
亀井 一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00242793)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ジャン・パウル / カッツェンベルガーの湯治旅行 / アンソロジー / 雑録記事 / 作品の概念 / 物語からの脱線 / 拾い読み / 同時代批評 / メディアと文学 / 雑録 / 『エレガントな世界のための新聞』 / カール・シュパツィア / Nicolas Pethes / 『カッツェンベルガー博士の温泉旅行』 / アテネウム / 断章 / 一般学芸新聞 / 知識の体系 / 初期ロマン派 / 啓蒙主義 / ノヴァーリス / 書評 / ドイツ啓蒙主義 / 公共性 / メディア / 汎神論論争 / 読者論 / フリードリヒ・ハインリヒ・ヤコービ / モーゼス・メンデルスゾーン / 1800年前後のドイツ文化 / メディア論 / 一般ドイツ新聞 / カント派 / クリスチアン・ゴットフリート・シュッツ / 知識論 / 一般ドイツ文庫 / ラファーター / メンデルスゾーン / 魂の不死 / 想像力 / 知識 |
研究実績の概要 |
ジャン・パウル・フリードリヒ・リヒターの『カッツェンベルガー博士の温泉旅行』第一版(1809)と第二版(1822)を新聞・雑誌との関連から考察することによって、1) 第一版が雑誌のスタイルをモデルにしているため、古典的な意味での「作品」概念から大きくはずれていること、そして、2) 第二版は「作品」を意識して再構成され、完結した「作品」と第一版の中間に位置することを明らかにした。 1) 『カッツェンベルガー博士の温泉旅行』には、書き下ろしの「温泉物語」に加えて、すでに新聞・雑誌に発表済みの「小品」が10篇、さらに書き下ろしの「多韻律詩」が収められている。発表済みのテクストを組み込んだのが、原作者の許可なく出版されたアンソロジーに対する抗議だったことは作者自身が書いている。しかし、『カッツェンベルガー博士の温泉旅行』が、アンソロジーのパロディになっていることを指摘したのは、カミンスキー論文(2017)だった。「小品」相互、「小品」と「温泉物語」は、いくつかのモチーフを共有し関連付けることができる。作者は飛ばし読みをする読者を批判しているが、飛ばし読みができるような構成になっている。 2) 第二版は、第一版に収録されたテクストを二部構成から三部構成にして、順番を入れ替えただけのようにみえるが、完結した「作品」をめざしている。「小品」は、「温泉物語」に完全に組み込まれることはないが、アンソロジーというよりは、リヒターの小説の特徴をなす「脱線」になっている。第一版を参照しながら、第二版を分析することによって、物語からの「脱線」と新聞・雑誌の雑録記事の類比関係が明らかになった。「脱線」で読者に報じられているのは、語り手が書いているまさにその時間の出来事で、物語の出来事ではない。
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