研究課題/領域番号 |
18K00451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
植 朗子 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (20611651)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 植物民俗学 / ハインリッヒ・マルツェル / 伝承文学 / ドイツ民俗学 / 薬用植物 / ドイツ伝説集 / 近代植物学 / グリム兄弟 / 神話・神話学 / 民間伝承 / 民間療法 / 植物療法 / 植物の迷信 / 説話伝承 / 伝説 / 代替医療 / 食事療法 / 迷信 |
研究成果の概要 |
本課題はヨーロッパにおける伝承文学研究のさらなる発展をその目的とし、20世紀の植物学者・ハインリッヒ・マルツェルによる「植物民俗学」の見直しと、その研究の活用について新しい提言を行うものであった。マルツェルは自然科学分野である植物辞典に「植物の迷信」を併記し、これらの伝承記述が、植物学分野で明らかされている特性と関係があることを指摘した上で、「植物民俗学」を提唱した。 本研究ではヨーロッパ伝承文学の文献をもとに、マルツェルによる植物事典の再検討を行った。「植物の魔術的効果」が、植物の実際の生態や薬効と関連が深いことを詳らかにし、マルツェルの研究意義について明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、植物学と伝承文学という異なる領域の研究を結びつける「植物民俗学」に再び光を当てた内容である。ヨーロッパ伝承文学研究では、幻想的な植物モティーフには実際の植物学的特性とは結びつかない「非科学的なもの」が含まれると理解されることがあり、伝承における植物学的な特徴の記述が看過されてしまうことがあった。そのため、一部の伝承においては、なぜその物語にその植物モティーフが使用されているのか、十分な検討がなされないままのものが残っている。しかし、ハインリッヒ・マルツェルの植物事典に掲載されいている植物学的事項と、併記されている伝承記述を確認することで、正しい植物伝承の理解が進むことがわかった。
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