研究課題/領域番号 |
18K00456
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 鳥取大学 (2020-2023) 宮崎大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
清水 まさ志 鳥取大学, 地域価値創造研究教育機構, 准教授 (90762047)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | シャルル・ボードレール / 悪の華 / 北方 / ロマン主義 / E.T.A.ホフマン / オーギュスト・バルビエ / ボードレール / 風土 / 北極 / オーロラ / 風土と風景 / ヴェーバー / 日本近代文学 / フランス近代歌曲 / ワルツ / ホフマン / トマス・ド・クインシー / 熱狂的旅人 / カンポ・サント / スプリーン / 風景 / 個性 / 熱狂 / フランス文学 |
研究成果の概要 |
十九世紀フランスの詩人シャルル・ボードレール(1821-1867)が著した詩集『悪の華』の「北方」的特質を明らかにした研究である。ボードレールは、美術批評『1846年のサロン』において、ロマン主義を現代芸術であり「北方」の芸術であると述べたが、主著である詩集『悪の華』においても、その主張が取り入れられていることを、それぞれの部の内容を分析することで証明した。また、十九世紀前半において、ボードレールに影響を与えた作家、E.T.Aホフマンやオーギュスト・バルビエとの関連性についても「北方」的観点から分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ボードレールの生きた十九世紀ヨーロッパは、産業革命と科学技術の進歩により社会における個人の生の意義が大きく問われる時代であった。ボードレールにおける「北方」性とは、この世の多様性の中で自らのかけがえのない個性と運命を自覚し、それに基づく精神的な進歩において自らの理想を求めようとする態度を表すものである。グローバリゼーションによって世界の多様性の意義が失われつつある現代において、さらにインターネットによって個人が匿名化していく現在の社会のなかで、ボードレールの態度は人間一人一人の生と精神性の意義をもう一度問い直し、人間性を回復する示唆を与えてくれるものである。
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