研究課題/領域番号 |
18K00458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
北原 寛子 北海学園大学, 経済学部, 教授 (60382016)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ドイツ文学 / 18世紀 / 小説理論 / 想像力 / 虚構観 / Bildungsroman / 内面描写 / 教養小説 / ビルドゥンクスロマン / 18世紀ドイツ / 教養小説 Bildungsroman / 19世紀 / スイス派 / ヴィーラント / 18世紀後半 / J. J. ボードマー / 18世紀小説理論 / ヴォルテール / ミルトン |
研究成果の概要 |
本研究では、ドイツ語圏で1770年代以降急速に内面描写についての理論が発達したことに注目し、なぜ内面が言語的な表現の対象になったのかを各種文献の分析によって考察した。 内面描写をするためには、人間が社会階級や身分の類型としてではなく、個人という独立した存在であり、その内面は他人から察することができず説明を要するという前提がなければならない。ボードマーとブライティンガーの著作やクラデニウス『一般歴史学』(1752)、ヴィーラントの『ドン・シルヴィオ』などを通して、18世紀半ば頃からドイツで想像力がようやく明確に認識されるようになり、個人の内面が文学の描写の対象として理論化されたことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際的にみて、18世紀ドイツにおける小説理論に関する先行研究のほとんどが、「近代小説は1770年代に詩人のおかれた社会環境と理想の軋轢から生まれた」とするディルタイの説をいまだに無批判に受け入れているのが実情である。 そうした状況において本研究は、内面描写という近代ドイツ小説理論を特徴づける要素が、1770年代に突発的に発展したのではなく、ドイツに小説Romanというジャンルがフランスから導入された17世紀後半よりさまざまな芸術論、学問論、詩論の議論を通して徐々に形成されたという具体的な過程を示したという点で学術的な意義を有している。
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