研究課題/領域番号 |
18K00461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
濱中 春 法政大学, 社会学部, 教授 (00294356)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ゲーテ / ニュートン / 色彩論 / 光学 / 図像 / 論争 / 科学 / 技芸 / 戯画化 / 色彩環 / 生理光学 / 彩色 / 像行為 / 光学的視覚 / 図像学的視覚 / イメージの物質性 / 脱神話化 / 半透明 / 受容 |
研究成果の概要 |
ゲーテの『色彩論』(1810)におけるニュートンの『光学』(1704)にたいする批判を、図像を対象および手段とした論争としてとらえ、両者の著作の図版を、図法や技法、細部の描写などイメージに固有の要素に注目し、イメージ論の概念を用いて分析・考察した。その結果、両者の議論の科学的な内容とは別の次元でさまざまな主題が浮かびあがり、それらを通して、ゲーテとニュートンのあいだには、従来、テクストにもとづいた研究で指摘されてきたような対立関係には収まりきらない、差異と共通性が併存する複雑な関係が見いだされた。また、そこではイメージが論争の対象や手段であるだけではなく、主体にもなりうることも明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲーテ研究としては、本研究を通して、ゲーテとニュートンのあいだに、従来、『色彩論』のテクストにもとづいた研究において指摘されてきたような対立関係を超えた多様で複雑な関係が見いだされた。また、美術史や科学史でおこなわれてきた科学のイメージ研究にたいしては、図像を通して科学論争にその直接的な主題とは別の次元でも意味を見いだすことができる可能性や、そこではイメージそのものもそのプロセスに参与しうるという知見を提示することができる。そしてそれは、視覚やイメージの重要性がますます増大しつつある現代社会においても、それらの可能性について考察を深める手がかりを示唆するという意義をもつと思われる。
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