研究課題/領域番号 |
18K00487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山崎 明日香 日本大学, 商学部, 准教授 (10707350)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | コスモポリニタニズム / 演劇教育 / 俳優 / ナショナリズム / 啓蒙思想 / 演技術 / 検閲 / 異文化交流 / レトリック教育 / エラスムスと喜劇 / 人文主義時代の演劇 / コスモポリタニズム / 俳優像の変化 / 貴族教育 / ライプニッツ / コメニウス / 遊戯思想 / 君主教育 / バロック演劇 / ネストロイ / ドイツ演劇 / 演劇 |
研究成果の概要 |
18世紀の市民社会の構築は、超領域的に人間解放を掲げる理想主義的また倫理的コスモポリタニズム、さらに商業主義的コスモポリタニズムを生み出した。本研究は、近代において、諸民族や階層間の精神文化的な紐帯として国民啓蒙的な役割を果たしたトランスナショナルな俳優像を分析し、その公共空間における普遍的な政治理念の敷衍だけではなく、異文化交流の担い手として和平創造を行った文化的機能と、それによる俳優の社会的権威の拡大について検証した。そして諸国の市民の生と娯楽を豊饒化し、ジェンダー規範の補強や刷新を行った俳優の美的なコスモポリタン的身体性とそのグローバルな文化的消費を、複合的視点から検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究では、近代の俳優とその諸活動が、文化的ナショナリズムにおける民衆啓蒙のための教養劇場の理念に関連付けられてきた。本研究は、従来まで考慮されずにいた、近代ドイツ語圏のトランスナショナルでコスモポリタン的な俳優像について、思想家や演劇批評家また俳優自身の言説を基に、同時代のコスモポリタニズムの思想に関連付けて検証した。また俳優の公共空間での普遍的な政治理念の敷衍や異文化交流的な機能の全体像を把握し理論化した。さらに経済資源である俳優の美的身体の超領域的な流通拡大が、市民的な生と性を解放させ、俳優のカリスマ化に伴う政治文化的な大衆支配のツールへと変貌した過程を問題化した。
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