研究課題/領域番号 |
18K00491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 上智大学 (2020-2022) 神奈川大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
小松原 由理 上智大学, 文学部, 教授 (70521904)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 歴史的アヴァンギャルド / ダダ / キャバレー / カバレット / ポストダダ / イメージ / 写真 / ベルリン・ダダ / ダダ小説 / 新しい人間 / 新しい男 / ダンディ / ダダイズム / 男性性 / モード論 / マグヌス・ヒルシュフェルト / アヴァンギャルド / 身体論 / 異化 / 映画 / 自己演出 / 自己翻訳 / ジェンダー / ラウール・ハウスマン / 前衛芸術 |
研究成果の概要 |
本研究では、ラウール・ハウスマンという芸術家を中心に、戦間期の前衛芸術運動に見られる諸々の発信の意図を、その難解な文字言語表現や思想哲学にのみ捕らわれていたこれまでの研究とは異なり、その身体論や映像論といった非言語的な追求の中であらためて捉えなおすことを試みた。特に越境性や他者性を獲得する場所としてのキャバレー芸術との密接なつながりや、写真や映画さらには文学の中で追求されていった、離心的知覚の拡張や獲得といった取り組みの中に、ハウスマンの芸術に対する総合的な理解を深めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ダダ、なかでもハウスマンを中心に分析し、その非言語的表現や作品としてみなされないものを集中して取り上げることで、あらためてヨーロッパの静的な芸術史観を刷新し、他者性と越境性に結び付いた表現がそこに模索されていたことが明らかとなった。このことの意義は二つあり、一つはその方向性は偏在性を主張するものとして決して区切ることができない運動であるという認識が得られ、今後は運動以後の継続性や発展が集中的に議論されねばならないことが明らかとなったこと。もう一つは、その本質的な脱ヨーロッパの越境性は明らかであり、言語を超えた非言語的表現の連動性への追求が、ますます重要な意味を持つことが示されたことである。
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