研究課題/領域番号 |
18K00500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
鵜飼 哲 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (90213404)
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研究分担者 |
F Bizet 東京大学, 教養学部, 准教授 (70383495)
呉 世宗 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (90588237)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 動物 / 文学 / 哲学 / 宗教 / 政治 / 環境 / 戦争 / ジェンダー / セクシュアリティ / 植民地 / 供儀 / 人種 |
研究成果の概要 |
今日動物福祉への関心が世界的に広まり、人間と動物の関係の歴史を再考する機運も高まっている。本研究では人間と動物の関係が文化的、歴史的に多様であることに着目し、文学作品によるこの多様性の表象を比較論的に研究した。公開シンポジウムには日本、沖縄、韓国、フランス、ベルギーの研究者が参加し、各自が属する文化圏のみならず、アイヌ、トルコ、ロシアなど隣接する文化圏における動物観を、政治的、宗教的コンテクストを重視しつつ考察した。また動物行動学、哲学的動物論、動物福祉運動の最新の動向を明らかにし、現代の動物研究における学際的アプロ―チの新たなあり方を提示した
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は日本語とフランス語を使用言語としつつも両言語文化の境界をはるかに超える多様な文化的、歴史的視野のもとで人間と動物の関係を考察した。動物の多様な生態に光を当てる文学作品が、人間と動物を峻別する固定観念を問い直し、両者の深い近接性を明らかにしうることを示した点に重要な学術的意義が認められよう。近代文明が動物に行使してきた巨大な暴力から目を背けることを止め、人間の特権を自明視しない生物共生文化の創出に、文学、哲学、宗教が固有の貢献をなしうることを示した点に貴重な社会的意義があると考える。成果は『動物のまなざしのもとで-種と文化の境界を問い直す』(勁草書房、2022年)として公開された。
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