研究課題/領域番号 |
18K00504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松村 耕光 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 名誉教授 (60157352)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | イクバール / ウルドゥー文学 / インド・ムスリム / ウルドゥー詩 |
研究成果の概要 |
本研究は詩人、イスラーム思想家イクバール(Muhammad Iqbal, d. 1938)の、1905年の西欧留学以前のウルドゥー語詩作品の全体像を明らかにし、当時の文学・思想状況からその評価を行うことを目的として行われた。その結果、 彼がムスリム・コミュニティー発展のためにムスリムの心情に強く訴えかける内容の詩を書いていることが確認され、初期のイクバールをムスリム意識の希薄な「インド・ナショナリスト」と見做す一般的な考えは誤りであることが判明した。また、彼の詩が掲載されていた雑誌『宝庫』の内容分析により、彼の詩が当時のラホールの文学・思想の一般的潮流の中で異彩を放っていたことも確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、現在までのイクバール研究では本格的に取り上げられてこなかった、初期イクバールの、すなわち、1905年の西欧留学以前のイクバールのウルドゥー語で書かれた詩作品の全体像がほぼ明らかとなった。その結果、初期イクバールを「インド・ナショナリスト」と捉える単純な見方を排することが可能となった。また、彼の詩が主に掲載されていたウルドゥー語雑誌『宝庫』の内容分析により、当時の文学的、思想的状況からその文学史的、思想史的意義を明らかにする端緒が開かれた。これらの知見により、詩人、思想家イクバールという一個人のみならず、近・現代インド・ムスリムの文学、思想をより深く理解することが可能となった。
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